※本記事は広告(PR・アフィリエイトリンク)を含みます。また一般的な情報提供を目的としたものであり、減額の可否・和解条件・費用の額を保証するものではありません。制度・費用の数値は2026年8月17日に各公式サイトで確認した時点の情報です。個別の判断は弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。
「任意整理 費用」。この検索をしている人の多くは、たぶん見積書か、事務所の費用ページを開いたまま手が止まっている。
俺はコロナ禍に借りた事業融資を、いまも返している本人だ。内訳は日本政策金融公庫が200万円、地元の信用金庫が270万円。返せる道を探して、区の無料相談(事業相談)にも行ったし、公庫・信用金庫・保証協会の担当者に直談判して回った。そのなかで、任意整理の無料相談にも実際に行った。
先に、この記事の立ち位置をはっきりさせておく。俺は任意整理を依頼していない。だから「俺は着手金をいくら払った」という体験談はここには一行も書けない。書けるのは、①相談の場で専門家に何を言われたか(当時の記録に基づく)と、②費用の数字を、俺の記憶ではなく公的な資料から引き直したもの、この2つだけだ。
費用の数字はすべて、日本弁護士連合会の会規・規則、日本司法書士会連合会の報酬アンケート、法テラスの立替基準額、各事務所の公式費用ページから取った(すべて2026年8月17日確認)。出典URLは記事の最後にまとめてある。
結論:1社あたり4〜6万円前後という声が多い。「4件で33万」は相場の内側
先に数字だけ置く。任意整理の費用は「1社あたりいくら」で積み上がる。総額は借金の残高ではなく、交渉する会社の数で決まるのが基本だ。ここを取り違えると、見積書の意味が読めない。
公的な物差しとして一番はっきりしているのは、日本司法書士会連合会が2024年3月に実施した報酬アンケートだ。「債権者5社・債務額は各50万円」という設例に対して、任意整理の着手金の平均は92,341円(有効回答237)、成功報酬の平均は117,748円(有効回答197)。足すと5社で約21万円になる。単純に5で割れば1社あたり約42,000円だ。
実際に営業している事務所の公式価格も並べておく(すべて2026年8月17日に公式サイトで確認)。
- アース司法書士事務所:任意整理の基本報酬 1社あたり11,000円〜(税込)/すでに完済している分は0円/減額報酬は「頂戴いたしません」=0円
- 司法書士法人杉山事務所:任意整理の基本報酬 27,500円〜(税込)(1社あたりか総額かはページ上に明記なし=要問い合わせ)
- アルスタ司法書士事務所(借金問題解決センター):1社 55,000円(税込)・着手金不要・成功報酬なし・分割払い可
この幅を、検索で多い「30万円は高いのか」に当てはめるとこうなる。3〜4社を任意整理して総額30万円前後なら、相場の内側だ。1〜2社で30万円なら高い部類に入る。実際、知恵袋で「8万円の着手金は高いか」と聞いた人への回答も、判断の基準を件数に置いていた。
「1〜2社でなら高い方ですが、3〜4社でならその値段になる所も多いかと思います」(Yahoo!知恵袋の回答・q11314985976/2026年8月17日取得)
ただし、これはあくまで目安だ。任意整理は交渉なので、費用が同じでも結果は事務所と債権者によって変わる。減額される額も、分割の回数も、事前に決まっているものではない。
費用の内訳は5つ。上限が決まっているものと、決まっていないものがある
見積書が読めない原因は、たいてい項目名が事務所ごとに違うからだ。名前は違っても、中身は次の5つに分解できる。
任意整理の費用、この内訳と比べて高くないか確認する
| 内訳項目 | 日弁連の上限(弁護士) | 司法書士の実勢平均(日司連2024アンケート) |
|---|---|---|
| 相談料 | 上限の規程なし(会規93号に相談料の条文なし) | 未確認(アンケートの設問対象外) |
| 着手金 | 上限なし(会規93号第10条=「適正かつ妥当な金額」とのみ規定) | 平均 92,341円 設例=債権者5社・債務額各50万円/有効回答237 |
| 解決報酬 | 債権者1人あたり2万円まで 事業性融資で担保付の場合のみ5万円まで(会規93号13条・規則145号2条) |
集計区分なし(アンケートに「解決報酬」の設問なし) |
| 減額報酬 | 10%以下(会規93号14条・規則145号3条) | 平均 117,748円(同設例の「成功報酬」) 有効回答197/弁護士側は割合(%)・司法書士側は金額(円)で単位が異なるため単純比較不可 |
| 過払報酬 | 訴訟によらず回収=20%以下 訴訟により回収=25%以下(会規93号15条・規則145号4条) |
着手金 平均45,874円/成功報酬 平均93,712円 設例=消費者金融1社・債務50万円・過払金50万円回収/有効回答204・270 |
| 送金代行 | 1回・債権者1人あたり1,000円まで(規則145号5条) | 未確認(アンケートの設問対象外) |
出典:日本弁護士連合会 会規93号・規則145号(https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf / https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kisoku/kisoku_no_145.pdf)/日本司法書士会連合会 報酬アンケート2024年3月実施・全国5,558名抽出(https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/11/2a2e2c594bc4cd9ff2ca0f6d916db85e.pdf)。確認日:2026年8月17日時点。司法書士には弁護士会規のような数値上限の規程はなく、上表右列は実勢の平均値であって上限ではない。
① 相談料
いまは無料の事務所が多い。この記事で扱う3事務所も、無料相談を掲げている(アース司法書士事務所は「相談料0円」という文言そのものは費用ページ上に確認できず、無料相談ダイヤル・無料メール相談の案内という形)。
② 着手金(基本報酬)
依頼した時点で発生する。ここが一番大きく、そして一番ばらつく。理由ははっきりしていて、弁護士の場合でも着手金そのものには金額の上限が無いからだ。日弁連の会規93号第10条は、着手金について「適正かつ妥当な金額」としか定めていない。上限が数字で決まっているのは、次に挙げる報酬のほうだ。
③ 解決報酬金(和解が成立したときの報酬)
弁護士については、日弁連の規則145号第2条で債権者1人あたり2万円が上限と決まっている(事業性の融資で担保が付いている場合のみ5万円)。会規93号第13条が「債権者一人当たり、五万円を超えない範囲内で規則で定める上限の金額」とし、その規則側で2万円に絞られている、という構造だ。
④ 減額報酬金
減らせた額に対する成功報酬。弁護士は規則145号第3条で10%が上限。ここは事務所によって「0円」を掲げるところもある(アース司法書士事務所は減額報酬・オプション報酬とも「頂戴いたしません」と明記)。減額報酬の有無は、総額を数万円単位で動かす。見積書で必ず見る欄だ。
⑤ 送金代行手数料
和解後の返済を事務所経由で振り込んでもらう場合の手数料。弁護士は規則145号第5条で1回の送金につき債権者1人あたり1,000円まで。月々かかるので、5社なら月5,000円、3年で18万円になる計算だ。小さく見えて効く。
あわせて、過払い金が出た場合の報酬も上限がある。弁護士は訴訟によらず回収した場合20%、訴訟により回収した場合25%(規則145号第4条)。アース司法書士事務所の公式価格はこれと同じ20%/25%、杉山事務所は返還額の27.5%〜(税込)と公表している。
「11,000円〜」と書いてあるのに、実際は6〜8万円と言われる理由
読者の声で一番刺さったのはこれだ。
「色々なところ相談させてもらってますが、どこもウェブサイトには11,000〜とか書いていても実際は一社あたり6万〜8万とかです。(中略)全てこんな感じなんですかね…?」(Yahoo!知恵袋・q12326989147/2026年8月17日取得)
この乖離は、たいていサイトに出ているのが②の基本報酬だけで、そこに③解決報酬・④減額報酬・⑤送金代行が積み上がるから起きる。だから見積書を受け取ったら、金額の合計ではなく「この5項目のうち、どれが入っていて、どれが別か」を先に聞いたほうが早い。
ついでに、広告の言葉についても書いておく。「国が認めた借金救済制度」といった表現について、日経新聞の「家計の法律クリニック」はこう指摘している。
「『国が認めた借金救済措置』『借金減額措置』『借金救済制度』などという表現をたしかによく見かけます。ただ『国が認めた』の意味が明らかではありません。(中略)『任意整理は違法ではないので国に認められている』という解釈であれば、誤りとまではいえませんが、かなり不自然な表現です。」(日本経済新聞 2024年7月11日)
任意整理は、国が用意した特別な救済制度ではなく、債権者と直接交渉する私的な話し合いだ。だから結果に保証がない。ここを最初に飲み込んでおくと、費用の判断がぶれない。
弁護士と司法書士で費用はどう違うのか(140万円ルール)
費用だけを見ると、司法書士のほうが安い事務所が多い。ただし「安いほうを選べばいい」で終わらない事情がある。認定司法書士が代理人として交渉できる範囲に、法律上の上限があるからだ。
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第3条1項6号イは、認定司法書士が代理できる手続きをこう定めている。
「簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。…イ 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定による手続(ロに規定する手続及び訴えの提起前における証拠保全手続を除く。)であつて、訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの」
その裁判所法33条1項1号がこうだ。
「簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)」
この2つを組み合わせて、いわゆる「140万円ルール」になる。1社あたりの債務額が140万円を超えると、認定司法書士は代理人になれない=弁護士に頼むことになる。念のため書いておくと、司法書士法の条文そのものに「140万円」という数字は書かれていない。裁判所法を参照する形で決まっている。
また、個人再生や自己破産を選ぶ場合は弁護士が基本になる(司法書士は書類作成での関与)。総額が大きい・収入が止まっている・そもそも返済の見込みが立たない、という状態なら、費用の安さより先にここを確認したほうがいい。
費用のルールの側も、弁護士と司法書士では前提が違う。弁護士には上で書いた日弁連の上限規程がある。司法書士には同じ形の数値上限が存在しない。日本司法書士会連合会は「司法書士が業務を行ったときに受ける報酬については、各司法書士が自由に定めることになっています」と明記している。だから司法書士に頼むときは、公式の費用ページと見積書がそのまま物差しになる。上で挙げた実勢平均(着手金92,341円・成功報酬117,748円)は、その物差しを当てるための基準値として使ってほしい。
その費用、払う価値があるか。自分で出せる判断式
ここが、俺がこの記事で一番書きたかったところだ。相場を知っても「で、自分は頼むべきなのか」は解けない。解くには式がいる。
判断式:これから払う予定の利息の合計 − 任意整理の費用 = 手元に残る額
任意整理でやることは、ざっくり言えば「将来の利息を止めて、元本を分割で返す」交渉だ。つまり買っているのは利息で、費用はその代金にあたる。だから、払う予定だった利息が費用より大きければ意味があるし、小さければ意味が薄い。
設例:3社・残高合計150万円・年利15%・残り返済3年の場合で「費用に見合うか」を概算する
| ① 今のまま返し続けた場合の利息総額(概算) | |
| 残高150万円・年利15%・36回(3年)で元利均等返済した場合の利息合計 | 約371,900円 |
| ② 任意整理の費用目安(3社の場合) | |
| 目安A:司法書士の実勢平均ベース 着手金92,341円+成功報酬117,748円(日司連アンケート・5社設例の平均値をそのまま使用) |
約210,100円 |
| 目安B:弁護士の上限規程ベース 解決報酬上限2万円×3社=6万円+減額報酬上限10%×利息カット概算額=約37,200円(着手金は上限なしのため含まず) |
約97,200円 +着手金(事務所ごとに異なる) |
| ③ 差し引き(①−②) | |
| 目安Aと比べた場合 | 約161,800円分、利息カットが上回る |
| 目安Bと比べた場合(着手金除く) | 約274,700円分、利息カットが上回る |
計算式:月々の返済額=元本×月利×(1+月利)36÷{(1+月利)36−1}(月利=年利15%÷12、36回)。利息総額=月々の返済額×36回−元本150万円。上記はこの設例だけの概算値であり、実際の減額幅・費用は債権者数・借入条件・依頼先によって変わる。任意整理は将来利息が必ず0%になるとは限らない(債権者との交渉次第)。
数値の根拠:①は一般的な元利均等返済の計算式による概算(実額の統計データではありません)。②目安Aは日司連2024年アンケートの平均値、目安Bは日弁連会規93号・規則145号の上限値を使った概算。確認日:2026年8月17日時点。
数字を入れてみる。3社に合計150万円、金利は年15%、月々の返済を一定にして3年(36回)で返すという設例で計算すると、月々の返済は約51,998円、総支払額は約1,871,928円、そのうち利息が約371,928円だ(元利均等・追加の借入なし・遅延なしという前提での試算)。
ここに、たとえば1社55,000円の事務所に3社を頼んだ場合の費用165,000円を当てる。371,928円 − 165,000円 = 約206,900円。費用を払ってもなお、20万円ほど手元に残る計算になる。この規模なら「費用に見合うか」の答えははっきりしている。
逆の例も出す。俺の借金がまさに逆側だ。信用金庫から借りた270万円は、契約書上の金利が年1.300%。単純に計算して1年分の利息は約35,100円しかない。ここに1社数万円の費用を払っても、止められる利息のほうが小さい。買うものより代金のほうが高い。
この式を自分の数字で回すには、残高と金利と社数がいる。まだ紙に書き出せていないなら、先にこっちを済ませたほうが早い。→ 借金の状況を入力して整理の方向を見る(診断)
注意点をひとつ。この試算は「利息が止まる前提」で計算している。任意整理は交渉なので、利息のカットや分割回数は債権者が応じてはじめて決まる。応じない会社もある。だから式の答えは「上限としての期待値」として見てほしい。
費用が払えないとき。分割と、法テラスの立替
読者の声のなかで、いちばん切実だったのがこれだ。
「収入30万、固定費19万、任意整理費用(手数料込みで5万) 残り6万でガソリンや食費、その他諸々やりくりできると思いますか?(中略)貯金はありません。」(Yahoo!知恵袋・q13328481478/2026年8月17日取得)
費用が払えるかどうかは、依頼したあとの生活が回るかどうかと同じ問題だ。ここを黙って進めると、途中で止まる。日経新聞は2025年2月、本来は自己破産をすべき事案で任意整理が選択され、「男性は計28万円支払った後に続けられないと伝えると、弁護士は辞任した」という事例を報じている。払えない見込みは、最初の相談で言うほうがいい。
払えない時の判断の順番(相談料・依頼後の費用・整理後の返済原資を分けて見る/費用を作るためにやらない方がいいこと)は、別に1本まとめてある。→ 任意整理の費用が払えない時は?相談前に見る分割・法テラス
分割払い
費用を分割にできる事務所は珍しくない。杉山事務所は「相談者様の収入や支出、家庭状況などを細かくお伺いして、支払いやすい回数での分割払いをご提案」と公表しているし、アルスタ司法書士事務所も分割払い可・着手金不要としている(アース司法書士事務所は分割の可否が公式ページに明記されていない=要問い合わせ)。回数と開始月は事務所ごとに違うので、契約前に書面で確認してほしい。
法テラス(民事法律扶助)の立替
収入と資産が基準以下なら、法テラスが費用を立て替え、あとから分割で返す制度が使える。任意整理の立替基準額は、債権者の数で決まっている。
今すぐ費用を払えない場合、法テラスの立替でいくらになるか確認する
| 債権者数 | 着手金 | 実費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1社 | 33,000円 | 10,000円 | 43,000円 |
| 2社 | 49,500円 | 15,000円 | 64,500円 |
| 3社 | 66,000円 | 20,000円 | 86,000円 |
| 4社 | 88,000円 | 20,000円 | 108,000円 |
| 5社 | 110,000円 | 25,000円 | 135,000円 |
| 6〜10社 | 154,000円 | 25,000円 | 179,000円 |
| 11〜20社 | 176,000円 | 30,000円 | 206,000円 |
| 21社以上 | 198,000円 | 35,000円 | 233,000円 |
利用できるのは、収入・資産が基準以下(例:東京都特別区・大阪市等は1人世帯で月収200,200円以下・資産180万円以下、それ以外の地域は1人世帯で月収182,000円以下。世帯人数が増えるごとに基準額も上がる)で、勝訴の見込みがないとはいえず、制度の趣旨に適する場合。
出典:法テラス(日本司法支援センター)https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/seirihiyou.html / https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyou.html 。確認日:2026年8月17日時点。原則として報酬金は発生しないが、過払金を回収できた場合のみ発生(金額は個別)。「実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります。必ずこの金額になるとは限りません」との注記あり。
実額はこうだ(着手金+実費の合計・2026年8月17日確認)。1社=43,000円/2社=64,500円/3社=86,000円/4社=108,000円/5社=135,000円/6〜10社=179,000円/11〜20社=206,000円/21社以上=233,000円。原則として報酬金は発生せず、過払い金を回収できた場合のみ報酬金がかかる。ただし法テラス自身が「実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります。必ずこの金額になるとは限りません」と注記している。
使うには収入・資産の基準がある。単身なら手取り月収200,200円以下(東京都特別区・大阪市等。それ以外の地域は182,000円以下)、資産180万円以下。2人家族なら276,100円(それ以外251,000円)・資産250万円以下、というように家族の人数で上がる。家賃や住宅ローンは限度額の範囲で控除される。
ちなみに弁護士側にも、この制度を案内する努力義務がある。日弁連の会規93号第6条は「事案に応じ、当該債務者の経済生活の再生の観点から必要かつ相当と認められる場合には、法律扶助制度…を説明し…その利用が可能となるように努める」と定めている。相談で法テラスの話が一度も出なかったら、こちらから聞いていい。
俺自身は、任意整理の費用の立替ではないが、別件(広告収入が止まった件)で法テラスに相談したことがある。
無料相談で、俺が実際に言われたこと
ここからは俺の話だ。費用の額の話ではない。「任意整理が向かない借金がある」という話で、これは相場表のどこにも書いていない。
俺が相談に行ったときの状況はこうだ。コロナ禍に借りた事業融資(公庫200万・信金270万)を返している最中に、広告収入が8〜9割減った。返す原資が消えた状態で、区の無料相談や金融機関を回った延長線上で、債務整理の無料相談を受けた。
そこで言われたのが、これだった。
「一応これ、自己破産するっていうことはできるんですけど」
「普通に任意整理の場合、今別に僕らが入ったからって利息損害金カットとかはないので」
「だから今、破産だったら僕らが入らないとダメなんですけど、普通にやる分にはまずはそこにちょっと相談ですよね」
最初は意味が飲み込めなかった。あとから上の判断式に当てはめて、やっと分かった。俺の借金は事業融資で、金利がそもそも低い。信用金庫のほうは年1.300%だ。専門家が入って利息を止めても、止まる利息がほとんどない。費用を払っても買えるものが無い、という状態だった。
そのうえで示された順番も、費用の話とセットで覚えておく価値がある。
「じゃあまずリスケして、あとは」
「リスケで1年とかをやって、そっからかなとは思いますけどね」
「廃業するんだったら、もう破産してもいいかもしれないですけど」
つまり「まず金融機関と返済条件を組み直す(リスケ)。それで1年やってみて、そこから次を考える」。俺はこの通りに動いて、実際に条件変更の契約を結んだ。据置期間が明けたあと、月々の返済が40,408円になることも、いま返済予定表で確定している。
正直に書いておくと、この相談では費用がいくらかかるかという話は出なかった。頼まない方向で話が進んだからだ。だから俺は「見積もりを見て高いと思った」側の体験を語れない。語れるのは、費用の相場を調べる前に、そもそも自分の借金が任意整理に向いているかを確認する順番があるということだけだ。
それでも、相談に行った価値はあった。以前このブログにも書いたが、「利息をカットして元本だけを分割で返す交渉ができる」という選択肢が存在すると知っているだけで、夜の不安がひとつ減った。選ばないために相談に行く、というのは十分にありだ。相談は無料なのだから。
俺のリスケの実数と、返済の全記録はこっちに置いてある。
費用の相談だけなら無料でできる。3事務所を同じ軸で並べる
ここから広告リンクを含む。先に比較の軸を宣言しておく。並べるのは①相談料 ②基本報酬(着手金) ③減額報酬 ④分割払いの可否 ⑤対応地域の5つで、数字はすべて各事務所の公式サイトから2026年8月17日に転記したものだ。ランキングではないし、順番に優劣の意味はない。3事務所とも司法書士の事務所なので、上に書いた140万円ルール(1社あたり140万円以下)の範囲が対象になる。個人再生・自己破産を検討する段階なら、弁護士も選択肢に入れてほしい。
比較する軸(相談料/基本報酬/減額報酬/分割払い/対応地域/営業時間)を先に決めて3事務所を並べる
| 比較軸 | 司法書士法人杉山事務所 | アース司法書士事務所 | 借金問題解決センター (アルスタ司法書士事務所) |
|---|---|---|---|
| 相談料 | 無料 | 未確認(無料相談ダイヤル・無料メール相談の表記のみ) | 無料 |
| 基本報酬 (着手金) |
27,500円〜(税込) 1社あたりか総額かは未確認 |
11,000円〜/社(税込・取引中分) 完済分は1社あたり0円 |
55,000円/社(税込) 「着手金不要」の表記あり |
| 減額報酬 | 表記なし(過払い金報酬27.5%〜は別項目) | 0円(頂戴しない) | 表記なし |
| 分割払い | 可 | 未確認(報酬ページに記載なし) | 可 |
| 対応地域 | 4拠点=東京・神奈川・千葉・埼玉/大阪・和歌山・奈良・兵庫・京都/福岡・熊本・大分・佐賀・山口/北海道全域 | 全国7エリア(北海道・東北/関東/信越・北陸/東海/近畿/中国・四国/九州・沖縄) | 47都道府県 |
| 営業時間 | 9:00〜19:00・年中無休(年末年始除く) | 平日9:30〜18:00・土曜/夜間は事前予約 | 未確認(LPに記載なし) |
出典:司法書士法人杉山事務所 https://sugiyama-saimuseiri.com/price/ /アース司法書士事務所 https://www.earth-shiho.com/price.html /借金問題解決センター(アルスタ司法書士事務所) https://alsta-saimu4.click/lil_03/ 。確認日:2026年8月17日時点。表記は各社公式ページの文言をそのまま転記(アース司法書士事務所の情報は加工していません)。認定司法書士は1社あたりの債務額が140万円を超える場合は代理人になれず弁護士対応となる(司法書士法3条1項6号イ・裁判所法33条1項1号)。個人再生・自己破産は弁護士対応、または司法書士は書類作成のみ。
費用の総額を、電話で先に確認したい方へ|借金問題解決センター(アルスタ司法書士事務所)
相談無料・着手金不要・費用は1社55,000円(税込)・分割払い可、対応は47都道府県。金額の内訳が公表されているぶん、電話口で「自分の社数だと総額いくらか」を確かめやすい。相談したからといって依頼する義務はない。※司法書士が代理できるのは1社あたり140万円以下の範囲。
※上記は広告リンクです
減額報酬0円で、費用を抑えたい方へ|アース司法書士事務所
任意整理の基本報酬は1社11,000円〜(税込)、すでに完済している分は0円。減額報酬・オプション報酬は「頂戴いたしません」と公式に明記している数少ない事務所だ(過払い報酬は訴訟によらず回収20%/訴訟により25%)。大阪の事務所で、対応地域は全国7エリア。平日9:30〜18:00のほか、土曜・夜間も事前予約で受け付けている。※分割払いの可否は公式ページに記載がないため、相談時に確認を。
※上記は広告リンクです
近くの拠点で相談したい方へ|司法書士法人杉山事務所
相談無料、任意整理の基本報酬は27,500円(税込)〜。分割払いは「収入や支出、家庭状況などを細かくお伺いして、支払いやすい回数での分割払いをご提案」と公表している。東京・大阪・福岡・札幌の4拠点で、営業は9:00〜19:00・年中無休(年末年始を除く)。過払い金の調査・相談は無料、報酬は返還額の27.5%〜(税込)。
※上記は広告リンクです
相談するときに、これだけは聞いてほしいという項目を置いておく。全部、上の内訳5点に対応している。
- 自分の社数だと、総額はいくらか(内訳を項目別に)
- 減額報酬はあるか、あるなら何%か
- 送金代行の手数料は月いくらか
- 分割は何回まで、いつから始まるか
- 140万円を超える会社が混ざっていないか
2回目・再和解になったときの費用
一度任意整理をしたあとに払えなくなり、もう一度交渉する(再和解)ケースの費用は、検索でもよく聞かれている。ここは正直に書く。今回調べた一次資料——日弁連の会規93号・規則145号、日本司法書士会連合会の報酬アンケート、法テラスの立替基準額、3事務所の公式費用ページ——のどこにも、「2回目」「再和解」の料金表は無かった。
分かるのは2つだ。ひとつ、弁護士の報酬上限は「債権者一人当たり」で決まっていて、回数によって上限が上がる規定は、今回読んだ範囲では見当たらない(規則145号第2条)。もうひとつ、再和解も交渉である以上、あらためて1社ごとの費用が発生するのが自然で、額は個別見積もりの領域になる。
だから2回目を考えている人は、相場の記事を探すより、最初に依頼した事務所に「再和解の場合の費用」を直接聞くのが最短だ。契約書に再交渉時の扱いが書かれていることもある。
よくある質問
費用はいつ払うのか
着手金は依頼の時点、解決報酬は和解の成立後、というのが基本形だ。ただし支払いの開始月と回数は事務所ごとに違うので、契約前に書面で確認してほしい。着手金不要(アルスタ司法書士事務所)を掲げるところもある。
1社だけ任意整理することはできるか
費用が「債権者一人当たり」で決まる構造(規則145号第2条)からも分かるとおり、任意整理は会社ごとの交渉だ。だから対象を何社にするかで総額が変わる。ただし、1社だけに絞ってよいかは、他社の残高や返済状況とセットの判断になる。相談のときに全部の残高を出して聞いたほうがいい。
費用を安くする方法はあるか
今回の一次データから言えるのは4つだ。①対象にする会社を絞る(費用は社数で決まる) ②減額報酬0円の事務所を選ぶ ③収入・資産が基準以下なら法テラスの立替を使う(3社なら86,000円) ④相談無料の窓口で複数の見積もりを取る。逆に、安さだけで選んで140万円を超える会社が混ざっていると、途中で弁護士に切り替える手間が増える。
「4件で33万円」は妥当か
知恵袋にも同じ質問があった。「任意整理の費用が4件で33万って妥当ですか?広告からリンク踏んで応募したのですが…。まだ契約書にサインはしていません。」(q14325581379/2026年8月17日取得)
4社で33万円は、1社あたり約82,500円。司法書士の実勢平均(5社設例で着手金+成功報酬が約21万円)と比べると高めだが、減額報酬や送金代行まで込みの総額なら、ありえない額ではない。判断すべきは高いか安いかではなく、内訳が5項目のどれで構成されているかと、止められる利息がその33万円を超えるかだ。上の判断式を自分の残高と金利で回してほしい。サインの前なら、まだ何度でも比べられる。
まとめ:相場を調べる前に、向いているかを確かめる
最後に3行でまとめる。
- 費用は残高ではなく社数で決まる。1社あたり4〜6万円前後という声が多く、3〜4社の総額30万円前後は相場の内側。
- 見るのは総額ではなく内訳5項目。減額報酬と送金代行の有無で、総額は数万円単位で変わる。
- 払う価値は式で出る。止められる利息の合計が費用を上回るかどうか。俺のように金利が低い借金は、そもそも向かない。
俺は任意整理を選ばなかった。でも、選ばなかったと分かるまでに無料相談が要った。費用の相場を1週間調べるより、残高と金利と社数を紙に書いて、無料の窓口で30分話すほうが早い。これは、遠回りをした側の実感として書いておく。
関連記事も置いておく。全部、俺の実録だ。
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出典(すべて2026年8月17日確認)
- 日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(会規第93号)PDF/同 規則第145号 PDF
- 日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」公式ページ/報酬アンケート結果(2024年3月実施)
- e-Gov法令検索 司法書士法/裁判所法
- 法テラス「民事法律扶助業務の立替基準額(債務整理)」公式ページ/利用条件
- 各事務所公式費用ページ(アース司法書士事務所/司法書士法人杉山事務所/アルスタ司法書士事務所)
- 日本経済新聞「家計の法律クリニック」Case177(2024年7月11日)/「不適正な債務整理200件」(2025年2月23日)
- 読者の声の引用元=Yahoo!知恵袋(各引用に個別リンク)
更新履歴:2026-08-17 初出

