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パチンコの還元率は85%前後、とよく言われる。でもこの数字、法律のどこにも書いていない。
風営法の条文を全部見たが、「還元率」も「払戻」も一度も出てこない。競馬の70%や宝くじの50%は法律に書いてある数字だが、パチンコの85%は業界の推計値だ。同じ表に並んでいると気づきにくいが、この2つは重さが違う。
ではパチンコは何も決まっていないのかというと、そうではない。決まっているのは率ではなく時間だった。
風営法が縛っているもの
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律が定めているのは、「著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機」を置いてはいけない、という形の規制だ。還元率が何パーセント以上という書き方ではない。
実際の中身は、国家公安委員会規則の別表にある。
規則の別表第4に書いてある数字
遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の別表第4に、ぱちんこ遊技機の性能の規格がある。試射試験の規定がこれだ。
| 試射試験の長さ | 出た球 ÷ 打った球 | 幅 |
|---|---|---|
| 1時間 | 3分の1を超え、2.2倍未満 | 0.33〜2.20 |
| 4時間 | 5分の2を超え、1.5倍未満 | 0.40〜1.50 |
| 10時間 | 2分の1を超え、3分の4未満 | 0.50〜1.33 |
出典:遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(昭和60年国家公安委員会規則第4号)別表第4/風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律。確認日:2026年8月19日
並べると分かる。時間が長くなるほど、上と下の幅が閉じていく。
1時間なら2.2倍まで跳ねられる。10時間打つと、最大でも1.33倍までしか増えない。その代わり、最悪でも半分は戻る。
さらに発射装置には「1分間に100個を超える遊技球を発射することができるものでないこと」という決まりがある。入れられる速さにも上限がある。
「85%」の読み方
業界推計の85%にも、読み方の注意がある。これは店の売上総額に対して、客全体にいくら戻ったかの比率であって、自分が1万円入れたら8,500円返ってくるという意味ではない。誰かが大勝ちした分も、この85%の中に入っている。
パチンコを研究している大阪商業大学の谷岡一郎教授は、営業全体の平均的な控除率を10〜15%と見ている。
この数字より、俺には別のものが効いた
正直に書くと、俺はパチンコにハマらなかった側の人間だ。大学1年のときに友達に誘われて2、3回打って、全部負けて、それきりだ。
やめた理由は還元率じゃない。音と光と空気が、異常だった。とにかく嫌だった。長くはいられなかった。
今になって思う。あれで助かった。パチンコは、まず店まで行かないと打てない。そして行ったら行ったで、俺には耐えられない場所だった。二重に止められていた。
その後、俺は還元率でいえばパチンコよりはるかにマシなFXで、300万以上を溶かすことになる。閉店も、嫌な音も、無かったからだ。

